2018.12.04〜06 南米ボリビア Huayna Potosi al.6088m ワイナポトシ 日本での順応トレーニングから、アタックまで。

ボリビア登山

ボリビアの首都ラパスから、雪山を眺める。こちらがワイナポトシです。

ラパスからワイナポトシ
La Pazの町からワイナポトシHuaynaPotosi6088(左)を望む。右は順応で登ったチャカルタヤChacaltaya5395m

順応トレーニング①

日本での順応トレーニングとして、低酸素室を利用。出発2週間前から、高度4000mに約4時間滞在を2回実施した。

高所登山に向けて低酸素トレーニング

順応トレーニング②

現地ボリビアに入り6日間、3000~4000mでのクライミングやハイキング、5400mピークのハイキングを実施。4000mでは、身体の怠さや、呼吸苦は感じなくなり、5400mでも、頭痛や呼吸苦などの高山病はほとんど生じなかった。

~3Days Huayna Potosi 6088m ワイナポトシ登頂の3日間~

Day1: ラパスからワイナポトシ山ベースキャンプへ La Paz to Base Camp at 4800m

La Pazのエージェンシーにて、ガイドのテオと合流。4800mのベースキャンプまで車で移動。

ベースキャンプでの食事
ガイドのテオが作るボリビア飯が美味い。

昼食後、4950m地点で、氷河通過のロープワーク練習、氷河クライミングを実施。

南米ボリビアのワイナポトシ

南米ボリビア・ワイナポトシ登山前トレーニング
遠目でスラブ壁かと思ったら、氷河でした。

標高5000mでの氷河

簡単に登るのを絶賛され自慢気なAKIRA

ワイナポトシ・ベースキャンプを眺める

トレーニングの後から、やや頭痛がして、身体もだるい。心拍も落ち着かない。食欲はあるので食事はするが、それ以外はほぼ横になっていた。

山盛りポップコーンを平らげる
食欲は旺盛

トレーニング後、SpO2 : 79~80%、HR: 110~120回/min。夜には心拍は90前後に落ち着く。起きていてもやや息苦しく、横になり呼吸しやすい体勢を取ると、SpO2:85%へ上昇し頭痛も改善。

Day2: Base Camp to High Camp at al.5250m

ベースキャンプでの朝食
ベースキャンプでの朝食

朝食、昼食以外は、なんとなく怠くて横になって過ごす。外は日差しが強く、中では特にやることもない。食べて寝るのみ。この時間を、何か違うことをして過ごしたなら、もう少しは順応したのだろうか。

南米ボリビア・ワイナポトシ登山の案内板
Base Campでの案内板

昼食後、標高差約480mを登り、5250mのハイキャンプへ。身体が重く約2時間強かかった。

ワイナポトシ登山2日目・ハイキャンプにて
High Camp al.5250m
ワイナポトシ5300ベースキャンプから見上げる景色
High Campからワイナポトシを見上げる

ハイキャンプに着くと、頭痛が徐々に悪化。高山病が悪化しないように、呼吸をしたり、外で写真を撮ったりして過ごす。

しかし、突然起立した際には、目を瞑るほどの酷い頭痛が生じた。SpO2 :70%前後で、呼吸も苦しい。呼吸法にて、一時90%まで上がると頭痛が落ち着くこともあったが続かない。頭全体がズキズキ痛むことで、うまく呼吸法も出来ず、とりあえず鎮痛剤でごまかし、上手く呼吸できるようにしようとも思ったが、あまり下手に高所で薬を使用したくないと思いやめる。このまま頭痛が治らなければ、登山継続は諦め、キャンプに留まろうと思った。

夕飯を済ませ、出発の0時頃まで、仮眠を取る。仮眠中は一時SpO2:69%になり、頭痛と息苦しさで眠れなかった。

Day 3: ボリビア・ワイナポトシ登山 6088mへ High Camp to the summit of Huayna Potosi al.6088m

出発時刻に合わせて起きる。あれ程痛かった頭痛は軽くなり、SpO2は70~80%と悪くはない。登らない理由は無いと、山頂に向けて出発することにした。

寝る前に、テオが持ってきてくれたコカ茶を何杯も飲んだのが良かったのだろうか。コカ茶は、高山病に効き、頭痛を和らげるとか。それとも寝ている間に自然に順応したのだろうか。

0時20分、ヘッドライトをつけて出発。他の数パーティも同時刻出発のため、なんとなく富士山の御来光登山にも似ていた。標高と気温は全く違うが。

しかし、息が苦しい。ガイドのペースは、日本で自分がガイドする時と同じようなペース、休憩も1時間に1回のため、5000mに順応していない身体には大変キツイ。

他のパーティの西洋人の中には、南米の高所を何ヶ月も放浪してきた人もいて、順応には問題なく、楽に登っていた人もいた。もちろん、頭痛でハイキャンプで諦めた人もいる。

呼吸をしても苦しい。まだ自分は順応しきれていないと思い、ガイドのペースをやや乱してでも、立ち止まり呼吸を整えたり、一歩につき2呼吸するなど工夫すると、やや楽に歩けた。AKIRAは、呼吸の仕方をハァハァでなく、ボーボーと吐くと、楽に呼吸が出来たと。しかもボーボーの方が周りからカッコよく見られただろうと。

それでも空を見上げると、息が少し楽になった。満点の星空を眺めて、そしてラパスの街の明かりを眺めて歩いた。

気温はマイナス10℃以下はあっただろうか。氷河はバリバリに凍りアイゼンがよく効く。山頂直下の急傾斜のトラバースも崩れ落ちる心配はない。ただし、一歩足を滑らせれば、姿が見えなくなる傾斜。

夜間に登り始めるのは、特に気温の高い雨期では、日が昇れば一気に気温が上がり、氷河が崩壊するから。ハイキャンプでは、午後には氷河の崩壊する音が聞こえていた。ガイドにお願いしなければ、初見で夜間にルートを探るのは難しいと思われ、個人でウィンターシーズンに昼に登るのは、リスクが高い。

登っているうちは、頭痛は無かった。とにかく、ガイドに合わせるように、それほど遅くはないペースで登ったため、息苦しく、身体がとても重く辛かった。幅20~30㎝の高度6000mのトラバースも難しく感じた。

約5時間で登頂。日が昇り始める頃だった。みんなで登頂を喜ぶ。

ワイナポトシ山頂
Huayna Potosi 6088m から

周囲が徐々に明るくなる中、下山開始、雪が緩む前に慎重に下りたい。

とにかく脚が重くて息も苦しいが、なんとか約2時間で無事にハイキャンプへ戻ることができた。

テオがスープを作ってくれた。温かく美味しいかった。しかし、とにかく胃がもたれて、吐き気がすごかった。今回の登山直前まで、もともとの胃痛が悪化、喉風邪で内服、生理で鎮痛剤内服、当日には良くなり内服薬は前日までだが、そん状態で低酸素状態に入り、自分の身体は限界に近かったかもしれない。

なんとか気合いを入れて、ベースキャンプへ戻る。昼前には、暑いLa Pazへ着いた。

今回、現地では6日間の順応トレーニングを経て、6000m峰に登頂したが、順応期間が長ければ長いほど、楽に登れたと思う。しかし、登頂する事が出来たということは、最短順応期間での登頂だったと言いたい。

費用について:3日間で一人Bs780(約1万2千円)。ガイド、トランスポート、宿泊、食事込み。最初はガイドレスで登ろうと計画していたが、全部込みで依頼した方が都合が良い。装備がない人は全て料金込みでレンタル可能。La Pazの多くのエージェンシーで取り扱いあり。

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